たくさん努力したのに、中小企業診断士の試験に落ちました。気分も落ちこむし、これから自分はどうすればいいか分からず、辛いです。
こんな人に向けた記事です。
資格試験に落ちる辛さは大きなものです。私も社労士、宅建士に落ちた経験がありますが、何ヶ月も頑張った努力が水の泡になるのは本当にしんどいです。
中小企業診断士試験の合格率は、一次試験が30%、二次試験が18%程度。何度も壁にぶつかりながら合格を勝ち取った人の方が多いのが現実です。
このページでは、
- 一次試験に落ちた人
- 初めての二次試験に落ちた人
- ２回目の二次試験に落ちた人
それぞれの状況に応じて、向き合うべき事項や来年度以降の打ち手を整理しました。
かげつ少しでも悩んでいる方のヒントになる部分があればうれしいです。
ぜひ最後まで読んでください。
執筆者：花月 諒（中小企業診断士）
通信講座と独自の二次試験解法を用いて、約200時間の学習で中小企業診断士試験に一発合格。効率の良い勉強法や合格をつかむマインドを発信。福岡県中小企業診断士協会所属。
中小企業診断士一次試験に落ちたときの打ち手
一次試験に落ちた方は、まず以下の3つを行いましょう。
- 勉強を邪魔する習慣を断ち切る
- 来年の目標点数を決める
- 自分に合った教材をもう一度考える
ぞれぞれの内容を解説します。
勉強を邪魔する習慣を断ち切る
一次試験に落ちる場合、大抵は勉強量が不足しています。
なぜなら、一次試験は絶対評価（60%以上を取れたら必ず受かる）の試験であり、勉強量と実力が概ね比例するからです。
勉強量が少ない人は、生活の中にムダな時間が多いです。代表的なものを挙げます。
- スマホでSNS・YouTube・ニュースサイトなどを見る
- テレビ番組を見る
- 会社の飲み会に行く
これらは試験に合格するためには不要です。ストレス解消のために必要という考え方もありますが、それならばランニングやスポーツのように、脳の働きを活性化するものの方が良いです。
ポチップ
私も、意識しないと1日中YouTubeをパトロールしてしまうほどの動画中毒者なので気持ちはよく分かりますが、何かを達成したいと思うなら、こうした習慣は頑張って排除したいものです。
来年の目標点数を決める
科目合格できた人も、一科目も受からなかった人も、来年度の目標点数を決めましょう。
試験に落ちたことを前向きに捉えると、自分の現在の実力を数値化できたとも言えます。
「来年度の目標点数」と「自分の現在の実力」の差が、これから埋めるべき勉強です。
かげつただ漠然と「受からなきゃ」と考えるより、目標がクリアになった感じがしませんか？
自分に合った教材をもう一度考える
資格試験に再チャレンジする際は、教材を考え直しましょう。主な選択肢は以下です。
| 予備校 | TAC・LECなど |
| 通信講座 | スタディング・診断士ゼミナールなど |
| 市販テキスト | ニュー・クイックマスター、みんなが欲しかった！シリーズなど |
予備校は高コストですが強制力があります。市販テキストは低コストですが自律が求められます。通信講座はその中間で、個人的にはいい塩梅だと感じました。
自分の性格や生活習慣を踏まえて、何を選ぶかを今一度考えましょう。
以上が一次試験に落ちたときの打ち手です。一次試験には科目合格制度があり、2〜3年かけて合格を目指すことも可能です。くわしくは以下の記事で解説しています。合わせてご覧ください。
中小企業診断士二次試験（1回目）に落ちたときの打ち手
ここからは二次試験の話です。二次試験に落ちたときの絶望感は、一次試験の比ではありません。すでに膨大な努力を重ねているからです。
二次試験に落ちた後は、まず少し休息をとることをおすすめします。一人でも家族と一緒でもいいんで、休みを取って少し長めの旅行でも行きましょう。
リフレッシュをした後で以下を行いましょう。
- 点数開示の結果を見て、自分の課題を考える
- もう一度受けるか養成課程に進むかを考える
点数開示の結果を見て、自分の課題を考える
二次試験終了後、合否に関わらず各科目の得点が開示されます。まずはそれを踏まえて、自分の課題を考えましょう。
合計点数が220点未満の場合、少し厳しい言い方ですが、二次試験で求めている能力の理解が不足している可能性が高いです。
自分の経験やアイデアを一生懸命書いていませんか？そうした方は、以下の記事を読み、落ちる人と受かる人の違いをまずはしっかり理解するところから始めましょう。
221点〜239点で落ちた人は、勉強のやり方を工夫すれば、合格できる可能性は十分にあります。
かげつ二次試験に落ちる場合は、勉強の量より質に課題がある可能性が高いです。
添削指導を受けたり、他の人の解法を見るなどインプットを行いつつ、自分の型を確立しましょう。SNSなどの匿名・無責任の情報は鵜呑みにしないように気をつけましょう。
もう一度受けるか養成課程に進むかを考える
分析が終わったら、具体的な方針を考えます。選択肢は「①来年度の二次試験を受ける」「②養成課程に進む」の2つです。
確実に中小企業診断士になりたいなら「②養成課程に進む」が有力です。ただし、お金と時間がかかること、受講できる地域が限定されていることには留意しましょう。
二次試験は一次試験に合格した年度とその翌年度の2回受けられるので、本来は「①来年度の二次試験を受ける」を選び、それでもダメなら「②養成課程に進む」に移行したいところです。
しかし、一部の養成課程では二次試験実施前に入試が行われます。そのため、2回目の合否を見てからでは受けられないケースがあります。
また養成課程の実施機関によっては入試の倍率が6〜7倍なんてこともあります。特に近年では一次試験が易化して一次試験合格者（≒二次試験受験者）が増えており、養成機関に入るのも簡単ではなくなっています。
中小企業診断士二次試験（2回目）に落ちたときの打ち手
2回目の不合格は、1回目とは意味合いが異なります。二次試験は一次試験合格年度とその翌年度の2回しか受けられないからです。
この場合、取りうる選択肢は以下の3つになります。
- 養成課程に進む
- 一次試験からやり直す
- 別のキャリアを考える
養成課程に進む
合格発表後も募集している養成課程を探して入試を受けます。
中小企業診断士になりたい気持ちが強ければ、これが最も現実的な選択肢でしょう。
対策期間が短く、ノウハウもあまり公開されていないため、大変厳しい道であることは覚悟しなければなりません。
かげつ仕事やご家庭を犠牲にする部分も出てくるので、周囲ともよく話をして決断しましょう。
養成課程経験者へのインタビューは、随時、記事にしてアップしていきます。ぜひ参考にしてください。
一次試験からやり直す
来年度の一次試験を突破すれば、また2回は二次試験への挑戦権が得られます。そのため、一次試験からやり直すのも立派な選択です。
ただ、一次試験からやり直した方の話を聞くと「一度合格している試験とはいえ、時間が空いているので結構忘れていてキツい」という声が多いように感じます。
勉強が長期化すると精神的にもしんどいので、心身のケアは怠らないようにしましょう。
別のキャリアを考える
試験に落ちた自分を責めるのは、精神衛生上も望ましくありません。ここまでの継続・挑戦ができたことは誇りに思うべきですし、その経験は必ず自分や誰かの役に立ちます。
中小企業診断士以外の選択肢として、別の資格を目指す、転職する、独立するなどを考えるのは、全くもって「逃げ」ではありません。
かげつ資格取得は手段の1つにすぎません。ご自身の「目標」「目的」に立ち返ると、案外、色々な選択肢が浮かんでくるものです。
まとめ｜自分を労りつつ、前を向く
試験に落ちたことは、恥ずかしいことでも、無駄なことでもありません。むしろそれは、「自分をどう立て直すか」を学べる貴重な機会です。
そもそも、中小企業診断士はストレートでの合格率が約4〜5%の狭き門。落ちる人の方が圧倒的に多いです。試験は落ちた後にどう行動するかが大事です。
実際に私も、社労士に落ち続けて心が折れています。社労士試験は科目数が多く、かつそれぞれに足切りが設定されている鬼仕様で、本当に辛いんです（笑）
最初は「自分は何てダメなやつなんだ！」と思っていましたが、こうした思考は何事にもプラスになりません。それより、自分が今持っている武器で戦う方法を考える方が建設的だと分かったのです。
気持ちを切り替えるのは時間がかかります。すぐに答えが出なくても構いません。とにかく自分をいたわってあげましょう。
誰かと一緒に考えるのもありです。私は資格取得・キャリア形成のカウンセリングを行っています。初回は30分無料なので、お気軽にお問い合わせください。
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